分かち合いの原則

 「来るべき時代に、人類は分かち合いの原則を実施するのに伴う問題に取り組むための方法を幾つか開発するだろう。この貴重な原則が繰り広げられる各ステージごとに、人間は自己の本源へより近づいていく。その聖なる潜在力をより多く顕す新しい人間の存在が、徐々に知られるようになるだろう。

 第一のステージにおいては、再分配が基調となり、各国家は余分の資源を世界共通の使用のために提供する。人間がその裡(うち)なる神性ゆえに、経済生活をより単純な形態にすることを欲する心を目覚めさせるまでは、洗練された物々交換の形態を通して、世界の物資は分かち合われるだろう。次のステージにおいて、人類は不必要な苦役から解放されるだろう。製造の仕事を機械が徐々に人間から引き継ぐだろう。やがて日常生活の加工品はすべてこのような方法で作られるだろう。このことは、国家間の発展段階と資源に非常な差がある今日では想像すらできない自給自足の形態につながるだろう。これらの機械が、人間を自己の内的探求へと解放し、人間が神へ向かって前進することを保証するだろう。時が来れば、これらの機械は人間の意志の作用で作られるようになるだろう。啓発された識心(マインド)の力によって、人はフォース・エネルギーの集合体を合わせて、これらの器具や装置を生みだし、生活の必要はすべて満たされるだろう。

 その時、分かち合われるものは資源と霊の果実であろう。かつて見たこともないような創造性が人間の生活を変え、この新しい生き方と美の中ですべての人間が分かち合うだろう。かくして、人間は神として己自身を顕示するだろう」

(『覚者は語る』分かち合いより)

分かち合いと協力の価値

 家族の中やグループ内部では、みんなの幸福達成や福利の手段として、分かち合いや協力の価値を多くの人々が学び取っています。問題は、物不足ではなく、国内と国際間における行動が引き起こしている経済社会上の誤った分配と誤用の問題です。これらの非常に根深い思考と行動パターンは変えることが難しく、通常は問題の解決法を必要以上に複雑化しています。しかしながら、今日では、必要な変化をもたらすために、数千人の経験を積んだ善意の人々があらゆる分野で働いています。ハイアラキーによって鼓舞された彼らは、世界的規模の分配という解決策を実行しようとする政治的意志(人民の意志)が存在するようになる時のために、そしてわれわれがそれを実施する助けとなるように、その計画とその青写真をすでに練り上げています。富める国々が生活水準を大きく引き下げることは必要ではありません。不必要に贅沢をしたり、必要以上に所有したり、食べ物や飲物やタバコを浪費したり、法外な生活ぶりをするという形で十分に余計な富が存在しているので、それだけで発展途上国の緊急の必要を満たすためには十分です。もし、現在の世界資源分配の不公平を認め、喜んで分かち合う心があれば、より均衡のとれた状況を達成することは難しくないでしょう。それが善意のエネルギーに満たされ、分かち合おうとする意志に鼓舞される世論の圧力によって、政府であれ、経済社会であれ、権力を握っている人々はこれらの考え方を受け入れるようになるでしょう。

わたしの幼き者たちを救いなさい

「現在のような生き方に、あなたがたはいかで満足していられようか。
何百万の人間が貧困の中に飢え死にしているかたわら、
金持ちは貧乏人の前で彼らの富をみせびらかす。
人はお互いの隣人の敵であり、誰も兄弟を信用しない。
あなたがたはいつまでそのようにして生きねばならないのか、我が友よ」

(マイトレーヤからのメッセージ第81信より)

「わたしの幼き者たちを救い、あなたがたの同胞を飢えから救いなさい、
人類は一つであることを、唯一なる御父(おんちち)の子供たちであることを覚えておきなさい。
大地の産物を、これを必要とする者たちに、信をもって譲りなさい。
これを今なして、世界を救いなさい」

(マイトレーヤからのメッセージ第31信より)

 1978年と1979年に伝えられたこれらの言葉によって、マイトレーヤは何ら革新的な教義を説いたわけではありません。彼は人類自身が数年前に、国連憲章の人権宣言第25章の中ですでに次のように宣言したことを、さらに力強い言い方で繰り返しただけです。

 「人はすべて、自己及び家族の健康と福祉のために、衣食住、医療、及び社会厚生施設を含んだ適切な生活水準を保持する権利を有し、さらに失業、疾病、不具、配偶者の喪失、老齢、または不可抗力による生活不能の場合に保障を受ける権利を有する」

(人権に関する世界宣言第25条)

 1980年、当時のドイツ政府の報告書は、次に示すように、どこに問題があるのかをはっきりと示しています。

 「工業先進国は現在すべての天然資源の4分の3を消費し、世界貿易の80%を支配し、全産業の93%を支配し、あらゆる工業技術と科学的研究成果のほとんど100%を独占している。それにもかかわらず、先進工業国に生活している人々は全世界の人口の4分の1に満たない。4分の3の人々は残りのもので、何とかやっていかなければならない」

分かち合いの制度とは

質問:分かち合いは、実際にどのようにしてなされるのですか、国ごとにそれは起こるのですか。また国連やその他の国際機関などを通して国際的に起きるのですか。

答:両方が組み合わされたものになるでしょう。国際連合が世界の主要な議論の場になるでしょう。世界の諸問題はそこで話し合われ、決議され、新しい制度が実行に移されるでしょう。世界資源の分かち合いのプロセスを監視するための全く新しい特別な機関が国連に設置されるでしょう。ここで強調したいのは、人類が自由意志を持つということです。何事も人類に強制されることはありませんが、人類が自らの自由意志で分かち合いの原則を受け入れるとき、私たちはマイトレーヤと覚者方の一団に尋ねるでしょう! 私たちはどのようにすればよいのですか、どうやって分かち合いを始めればよいのですか、と。すでに計画は存在しているのです。長年、覚者たちと共に働いてきた高位のイニシエート※ の一団が、現在経済問題の核心である再分配の間題を解決するための相互に関連性のある一連の計画をすでにつくり上げています。

 しかしその再分配は、意識の変革の結果として生じるものです。人類は意識の大変革を経験する時点に近づきつつあり、お互い同士の関係、宇宙や自然との関係、そして私たちが普通「神」と呼んでいるものとの関係を全く新しいやり方で認識し始めています。宇宙のあらゆるものは互いに関連し合っている、とマイトレーヤは言われます。つながっていない部分はありません。だから私たちが自分自身に対してすることは自然に対してもすることであり、自然に対してすることは、神の反映としての私たち自身にしていることなのです。私たちは、私たちが神と呼ぶ全的意識の一部分、反映なのです。

(※ 高位のイニシエート=高い段階のイニシエーションを受けた人)

新しいスーパーパワー ── 民衆の声