優先順位の立て直し

 「今日、人類は大きな抑圧のもとに生活しているために、日毎に世界的規模で起こっている変換を感知することができるのはほんの少数の者たちだけである。変化への動きのはずみはつき、何ものもそれを止めたり、逸脱させることはできない。かくして、世界は、全く新しい文明の創造の準備として、再生と浄化、そして苦しみを経ている。

 新しい文明は過去の土台の上に築かれるのだが、当然のことながら、古きものの多くが現状のままでは腐敗し役に立たず、一掃されなければならない。見る目を持つ者にとっては、新しい徴候はすでに明らかである。今日どこへ目を向けても、変化に伴う成長の苦しみをすべての者が感じている。

 この状況の中に、キリストはやって来られた。危急の時にあたって、人類を助けたがっておられる。彼が助けることができるのは疑うべくもないが、しかし人間が彼の提唱する変化を欲し、そして彼ら自身の自由意志でそれらを実施しなければならない。人間に強いられることは何もないし、押しつけられることは何もないだろう。そうでなければ、法が犯されることになるから。

 病んでいる世界が叫び求めている処置ーー分かち合いと正義、協力と法の統治の採用ーーを同化していく人間の能力によって、変化の速度は条件づけられる。かくしてのみ、初めて人はすべての国民が切望する平和を見いだすことができる。

 人間の仕事を助けるために、キリストは一定の優先順位を定められた。それが実施されるならば、均衡と秩序が確立され、それによって調和が創り出される。平和と福利はこの調和の上にかかっている。これらの優先順位は単純であり、自明である。しかるに、それがある程度まで存在するところは現在どこにもない。列挙してみれば、それはあらゆる男女や子供の基本的な必要を充たすものである。第一の優先は、正しい食物の適切な供給である。第二に、すべての者のための適切な住宅と宿である。第三に、普遍的権利としての健康管理と教育である。

 これらが安定した世界のための最小限の必要条件であり、これを保証することが、すべての政府の主要な責任となるだろう。それは単純であるが、実際に開始されるとき、広範囲の影響をもたらすだろう。そしてこの地球に新しい時代を招き入れるだろう。

 今日、多くの国家が優先しているものの中に、戦争のための武器の製造が不気味な比重を占めている。今後は、優先順位が改められなければならない。そして現在、防衛のために譲られている資源を確保しなければならない。

 これが行われる時、大いなる歓喜の創造的波がこの惑星中を覆い、すべての国々の人民はこれに反応するだろう。協力と分かち合いが日常のこととなり、至るところにいる人間が生活の中に新しい目的と意味を見いだすだろう。マイトレーヤは助言し、導くために臨在されるだろう。そして彼の賢明な指導の下に、世界は新しく創り直されるだろう。その時は今すぐ手元に存在する」

(『覚者は語る』1989年1月)

来るべき時代の目標と可能性

 来るべき時代には人類の目標は、集団意識、全体の一部分として欠くことのできない存在感の創造となるでしょう。宝瓶宮の星団からこの惑星に入って来る新しいエネルギーはこの方向に働きます。それに固有の特質は、統合、普遍性です。

病の終焉

 今日世界にある肉体的病気の多くは、心的原因ーー分裂した社会や世界に固有の緊張や恐怖や無理ーーによるものです。マイトレーヤと覚者方の出現は世界の緊張を減じ、大きな安堵感をもたらすでしょう。未来への真の希望が与えられると、人類の一般的な健康は改善されるでしょう。

死の恐怖からの解放

 最も深遠な変化は、われわれの死に対する態度に起こるでしょう。人間は死を恐れなくなるでしょう。人類は再生誕の法則を受け入れ、理解するようになるでしょう。肉体の死は、新しい、より自由な存在への移行であり、魂が転生の長い旅路の中で己自身を物質界に反映させるために、次々とその乗り舟である肉体をつくりかえるのです。

光のテクノロジー

 光のテクノロジーは、医療のやり方を変えるでしょう。医者たちがこのテクノロジーを治療に使う訓練を受けるようになると、もはや薬や手術は必要でなくなるでしょう。やがて、最も深刻な状態であれ、数時間で治療できるようになり、それほど多くの病院は必要ではなくなるでしょう。

 科学者たちが光線を開発するにつれて、肉体脳ではなく心(マインド)自体の内部にも入り込むことができるようになります。科学者たちは光のテクノロジーを利用して頭脳の特定の部位に焦点を当てることによって、麻薬常習を解消する方法を宇宙の兄弟たちにすでに教えられています。

 光のテクノロジーを通して、人類はエネルギー源を太陽から直接、無尽蔵に得ることが出来るようになり、誰もそれを独占することは出来ないでしょう。この途方もない科学が、全く音のしない、速くて乗っているうちに疲れが癒されてしまうような交通機関の発達など、人類の生活を一変させてしまうでしょう。

日本の役割

 ベンジャミン・クレームの師である覚者は、次のように語っています。

 「日本においてここ数世紀来初めて“ 将軍の法則”(権力者の法則)に代わって生命の法則が優位を占めるだろう。日本は、いかにして生活の要求を簡素化し、国民の必要を満たしてゆくかを世界に示すだろう。犠牲の法則が行き渡り、日本人は犠牲の法則を通して世界に道を示すだろう。彼らの霊的基盤に基づく古くからの生活様式が再び取り戻され、現在の混沌とした商業主義は、すべての人の必要が満たされる、より良い、より公正な経済に道を譲るだろう。これが世界にとっての青写真となるだろう。
 変革に進んで参加しようとする日本人の素質は先進諸国にとってのインスピレーションとなるだろう」

マイトレーヤの教え