原因と結果の法則(カルマ)

Q:因果応報、またはカルマ(業)とは何ですか。

A:因果応報、またはカルマ(業)というのは、カルマの法則に従って起こりますが、カルマの法則とは原因と結果、すなわち作用と反作用の法則です。この法則は私たちの存在を支配している基本法則です。私たちの一つ一つの行動が原因となりこれが結果を生じ、遅かれ早かれ私たちの上に跳ね返ってきます。そして、私たちはそれを良いカルマ、あるいは悪いカルマとして経験します。しかし、人は悪いカルマのときだけカルマについて語りますが、悪いカルマよりも良いカルマの方が多いのです。大切なことは、私たちは、一瞬一瞬カルマを作っているということ、今現在、次の転生の人生を創っているということを知ることです。

 それでは、どのようにして悪いカルマを取り除いたらよいのでしょうか。それには非常に簡単な方法があります。それは奉仕です。奉仕はカルマを取り除くための特にすぐれた方法で、カルマを燃焼してしまいます。人は奉仕するにつれて、自分自身にエネルギーを引き付けていきます。エネルギーを与えることによってエネルギーを得るのです。基本的にはそれが愛の法則です。それはまた、別の意味では原因結果の法則そのものです。あなたが愛を与えるにつれて原因を始動させ、その結果として愛が返ってくるのです。カルマの法則は偉大な拘束力のある法則ですが、また慈悲深いものです。個人がその転生で有益に処理できる量よりも重いカルマは生じません。

再生誕と輪廻転生

Q:再生誕の法則とは何ですか。

A:カルマの法則、すなわち原因と結果の法則の必然的結果として再生誕の法則があります。この法則に従って、人間の魂は数え切れない転生を繰り返し、生まれ変わってくる必要が全くなくなるまでこれを続けます。この過程で二つのことが同時に起こっています。一つは魂がその器である肉体人間を徐々に霊化することです。そしてもう一つは、過去のカルマを解消するために魂が意図的にその器に重荷を与えることです。人は、その転生において、進化の目標である完成への旅路をたどります。その際、低位レベルのものを徐々に放棄して高位の特質を肉体人間のレベルで体現することによって、益々魂としての本来の存在となっていきます。このように、カルマの法則とそれに由来する再生誕の法則に従って人は最後に第5段階のイニシエーションを受けて覚者になるのですが、それまでにすべてのカルマを解消し、もとの源に送り返してしまいます。

 私たちは、本質的にはモナッド(霊火)であり、神のきらめきであり、私たち個人のレベルで神性を現わしています。そして、その神性を表現するために私たちに提供されたのが再生誕です。再生誕は、神がその代理者である私たち自身を通して、正反対の極、つまり物質に下降し、その物質を完全に神の特性の浸透したものにして、再び神のもとに戻すことを可能にする過程です。創造の中で非常に興味深く美しいことが起こっているのです。その美、その精妙さ、その論理、創造的変化には驚嘆すべきものがあります。それは固定した機械的なものではなく、非常に美しい生きた過程です。