イニシエーション

 人間がその進化の旅路の最終段階に到達すると、転生している人間と、その魂と聖なるモナド、つまり「神のきらめき」の間に継続的で段階的な統合と一体化の段階の自発的過程が起こる。それには以下の3つの段階がある。

第1段階(誕生のイニシエーション)
 人間の心(ハート)にキリスト原理、キリストの意識が誕生します。これは、肉体のコントロールが、また肉体を構成するエレメンタル(精霊)のコントロールがある程度なし遂げられた時に可能となります。このイニシエーションを受けた人は、まだたくさんの欠点がありますが、すべての生命存在に対する新しい包括的な態度を示し、奉仕への欲求が強くなります。

第2段階(バプテスマ『洗礼』のイニシエーション)
 感情のコントロールが、またはその器であるアストラル(感情・情緒)体を構成するエレメンタル(精霊)のコントロールができるようになった時に可能となります。欲望と感情のもや(グラマー)の中に巻き込まれているイニシエートは、実相(リアリティー)に対する自己の反応を明瞭にし、自身の感情的な絆から解き放たれなければなりません。

第3段階(変容のイニシエーション)
 肉体、アストラル(感情・情緒)体、メンタル体の統合を実演できるようになった時に可能となります。識心(メンタル)界の錯覚(イリュージョン)が魂からますます輝きを増してみなぎる光の中で溶解し、魂のエネルギーで満ちた肉体人間を実現し、モナッド(神のきらめき)のエネルギーに直接反応するようになります。

第4段階(大いなる放棄のイニシエーション)
 西洋では「十字架のはりつけ」のイニシエーション、東洋では、「大いなる放棄」と呼ばれており、この言葉自体が、このイニシエーションで要求されることを正確に表現しています。このイニシエーションを受ける人の生涯は、大きな犠牲と苦悩を伴っています。イニシエートは一切のものを、友人も金も名声も人格も社会的地位も家族も、そして己の生命そのものさえも、すべてを放棄します。この劇的なイニシエーションでは、人間の志向している神性を実現することができます。

第5段階(復活のイニシエーション)
 この段階で、神の心(マインド)を、神の大計画を、そしてその大計画における自分の役割を知るようになります。そしてこの惑星上におけるすべての界、最下位の物質界から最上界の霊的な界までの意識を持つことができるようになります。もはや物質の引力から永久に自由になり、この惑星での転生の体験を得る必要がなくなります。ついに私たちは完全に解放され、大悟した存在(覚者)となります。

Q:よく知られたイニシエートを教えて下さい。

A:ソクラテス、レオナルド・ダ・ヴィンチ、グレコ、セザンヌ、マチス、ルノアール、ルーベンス、ピカソ、アインシュタイン、ガリレイ、キューリー夫人、リンカーン、モーツァルト、ベートーベン、ミケランジェロ、シェークスピア、ガンジー、チャーチル、毛沢東、聖徳太子、日蓮、空海(弘法大師)、葛飾北斎、北里柴三郎・・・彼らは、覚者方から直接・間接の刺激や指導を受けて働きました。

進化の大計画

Q:大計画とは何ですか。

A:大計画とは万物の進化に関わる創造主の計画です。それは、この惑星のすべての王国、すなわち、鉱物、植物、動物、人間、霊の王国の進化全体を網羅します。これが成就されるのは何百万年も先のことですが、来たるべき宝瓶宮の時代には、神の大計画の一部が成就され、人類は大計画を成就させる仕事において創造主ロゴス(神)の提携者としての関係に意識的に入るでしょう。

 この進化の大計画は、神の意志、つまり大目的と大計画が発する中心であるシャンバラから出されます。それはロゴスの、すなわち、サナット・クマラのマインドの中にあります。それが仏陀によってハイアラキーに提示されます。進化の大計画についてマイトレーヤと覚者方はただ道を示すだけです。彼らが新しい時代を建設するのではありません。私たちはまだ内的変化を遂げる必要があります。大計画を受け入れることについての決断をしなければなりません。マイトレーヤと覚者方は大計画の存在の事実を教えられるでしょう。彼らがこの大計画の保管者であり代理人です。しかし、それは人間を通してこの現象界に成就されなければなりません。新しい時代の建設は――それは政治、経済、金融等の社会全体の機構を含むのですが――ハイアラキーによって訓練されたイニシエートや弟子達である世界の男女によって実際なされるのです。