(a)「新しい時代」の天文学的事実
人類は今、世界の歴史の中で途方もない時代の始まりに立っています。それは大きな意識の変換が起こる分岐点と言えるものです。
太陽系は26,000 年という年月をかけて天空を旅しており、約2,150年ごとに12の星団を通過していきます。われわれはこれまで双魚宮(パイシス)のエネルギーの影響下にありましたが、これからは宝瓶宮(アクエリアス)のエネルギーの影響下に入っていき、そのエネギーの刺激を受けて、新しい文明が形づくられていきます。クレームによると2008年からすでに太陽系は主にアクエリアスのエネルギーの影響下にあるという。
この新旧2つのエネルギーの相克の中で混乱の極みにある人類に新しい時代の方向を示し導くために、世界教師マイトレーヤはハイアラキーの覚者方の一団を引き連れて、今この時期にやって来られました。(彼は、私たち人類が戦争と欠乏のない世界で基本的な生活必需品をすべての人が享受し、分かち合い、正義、自由、平和に基づく新しい文明を築いていけるように、われわれに刺激を与えられるでしょう)
これら2つのエネルギーは次のような特色を持っています。
私たちの現在の文明は、双魚宮のエネルギーに対する人類の意識の反応の結果として形づくられてきました。
双魚宮のエネルギーが退行するにつれて、それらのエネルギーへの反応としてつくられた古い制度機構はもはや役に立たなくなり、一方宝瓶宮アクエリアスのエネルギーの流入が強まるにつれ、それは全く違った結果をもたらします。そのエネルギーの特色が人類を統合へと向かわせます。
新しい時代を導くために、循環の法則に基づいて、再びマイトレーヤは宝瓶宮の全時代(2,150年間)の世界教師としてやって来られました。
(b) 不朽の智恵の教え(秘教哲学)
秘教哲学とは
極めて遠い昔から、神と宇宙と人間の性質に関わる基本法則と原理とを含む「根本教理」が存在してきました。秘教哲学としても知られています。この「古代の智恵」は、多くは口頭によって何千年間も世代から世代へと伝えられてきました。それは、数限りない文明の、芸術と科学の「源泉」となり、同時に全世界の宗教が様々な時代において数多く枝分かれして現れてくる源となってきました。
「秘教(密教)」は、人間と自然の両方における進化過程についての哲学(思想)と言うことができるでしょう。それは時代ごとの蓄積された智恵の科学ですが、われわれの日常生活への適応においては、学問的ではなく、実践的です。それは宇宙とその中に含まれて部分をなす人間のエネルギー構造の体系的で理解しやすい説明を提供します。
教えの第一段階
近年、この教えは書き留められて、チベット人とも呼ばれるジュワル・クール覚者によって、H・P・ブラヴァツキーと、後にアリス・A・ベイリーの著作を通して万人の手の届くものにされました。H・P・ブラヴァツキーは1875年から1890年にかけて彼女の著書『顕されたイシス(Isis Unveiled)』と『秘密の教義(The secret Doctrine)』の中で、覚者方とイニシエートの存在を、西欧に最初に明らかにしました。これは新しい時代とキリスト・マイトレーヤの再臨を準備するために、霊ハイアラキーによって計画された教えの第一段階を形成しています。
教えの第二段階
教えの第二段階は、アリス・A・ベイリーによって世界に紹介されました。1919年から1949年まで、彼女はジュワル・クール(DK)覚者から教えを受け取り、それを書き留めました。これらの教えは、19巻の本にまとめられ、ルーシス・トラストから出版されています。『光線とイニシエーション』の中に、ハイアラキーの教えが全世界に示現される段階は、「1975年以降、ラジオを通して、世界的規模で公布されるべく出現するだろう」と予言されています。早くも1948年に、彼女の著書『キリストの再臨』の中で、キリストの再臨が間近いことが啓示されています。
人間は本来、霊(神の閃光きらめき)である
秘教では、人間を、本来、霊(神の閃光きらめき)であり、魂または高位我と肉体人間という媒体を通して様々な段階に表現されている、と定義されています。
肉体人間(パーソナリティー)は、識心体(メンタル)、感情・情緒体(アストラル)、肉体(これはエネルギー、すなわちエーテル体との複合体から成る)から構成されています。
原因と結果の法則(カルマの法則)
魂は繰り返し繰り返し異なる肉体人間として輪廻転生し、特定の目標に向かって前進し続けます。原因と結果の法則、すなわち、聖書の用語を用いるなら、「汝の蒔いたものを刈り取るであろう」というカルマの法則がわれわれを繰り返し繰り返し地上に引き戻すのです。そして次第に進化の過程を経て、ついに、われわれの内在の神性をより忠実に顕すようになります。
カルマは普遍的宇宙法則の継続的かつ必然的な展開です。現代科学は、この同じ原理を別の言葉で表現しています。あらゆる行動には、それと同等の逆に働く反作用がある、と。これにより非利己的と利己的行為は、最終的には、同等の、相応の「カルマ的返還」を引き起こすのです。
肉体が死滅するたびに、魂はその乗り舟(肉体人間)を創造した目的に照らして、終了したばかりの生涯を見直し、評価します。そして過去の成功と失敗の分析に基づいて、次の転生――未来の行動経路――を決定します。その時、魂は、次の転生において、その目的の履行を保証する特質を肉体人間に与えます。
再生誕の法則
再生誕(輸廻転生)は、人間の進化の過程であり、低位の生命形態(動物)に生まれ変わることは決してありません。
この進化の道に沿う様々な段階にはイニシエーションによって道標が付けられています。それは個人が肉体と感情体と識心体とを次第に統御するに従って生ずる偉大なる意識の拡大です。進化過程はわれわれの通常の教育システムと類似しています。われわれは幼稚園において教えの最も基礎から始め、宇宙の高度のカリキュラムヘと進んでいきます。様々な達成段階は、卒業とさらに次の段階の学びの殿堂への入学という儀式の道標が設けられています。
地球での生活に結びついた5つの主要なイニシエーションは、イエスの生涯において象徴的に表現されました。すなわち、誕生、洗礼、変容、十字架の磔(はりつけ)、復活が、それです。人が第5段階のイニシエーションを受けるとき、その人は覚者と呼ばれ、それは、この世界(地球)が提供できるすべての経験を通過し、その過程で自分自身と
あらゆる意識レベルを完全に支配したことを意味します。
そのようになれば、彼はもはやこの惑星上に再生誕して来る必要はありませんが、神の計画に奉仕するために、志願して戻って来るかもしれません。覚者は、われわれが裡(うち)に秘めている神性を完全に表現されています。
ハイアラキーの顕現
ハイアラキーを構成される覚者方は、この惑星の神の大計画の管理者です。生命の全領域の完全なる発達を監督していますが、宗教だけでなく、現実のあらゆる面を取り扱っておられます。舞台の背後から働きかけ、様々なエネルギーを世界に放出して、偉大なる科学的業績と創造的芸術の高度の達成を鼓舞しておられます。政治、経済、社会、宗教、教育を含むあらゆる分野において彼らの弟子たちが働いています。覚者方は導き教えはしますが、自由意志に基づいてこの刺激に応えるのは人類自身です。そしてその刺激によって、われわれの文明を築く構造の変化と建設がもたらされるのです。
神の啓示は自然のあらゆるものと同様に周期的です。一つの時代、または文明の末期に、人類が新しい霊的真理を受け入れる準備ができたとき、あるいは世界が重要な危機点に達したとき、必ず教師が道を示すために現れました。歴史を通して多くの大聖(アバター)(偉大なる霊的メッセンジャー)が現れ、クリシュナや仏陀やキリストはその内の一
部にすぎません。われわれは現在、双魚宮(パイシス)の時代を抜け出しつつあります。この時代は理想、献身、派閥、個我の発達によって特徴づけられてきました。惑星が宝瓶宮のエネルギーの影響下に入っていくと、流入する統合のエネルギーによってわれわれの生活は条件づけられます。先の時代に育てられた理想や価値を実際に適用し始めるに
つれて、強調点は個人からグループヘと移って行きます。この移行は比類なき可能性と挑戦の両方を提供します。
マイトレーヤと覚者方はわれわれを新しい時代へ導き、これらの新しいエネルギーを解放し、方向づけるためにやって来られています。われわれがそれらのエネルギーに応えることによって、新しい文化と文明が創り出されるのです。
(c) 世界教師出現の現状を伝える
教えの第三段階
英国人、ベンジャミン・クレームは、H・P・ブラヴァツキー、アリス・A・ベイリーに続いて、現在進行しつつあるマイトレーヤと覚者方の外的顕現の情報を世界に提供している霊ハイアラキーの弟子です。著名な画家であり、秘教徒として深い造詣と体験を積んでいます。1959年に、クレームは彼自身の師である霊ハイアラキーの覚者の一人から突然、連絡を受け、キリストの再臨が間近であること、そしてもし彼が承諾してくれるならば、そのために一役果たす機会が与えられることを聞かされて、彼は最善を尽くすことを誓いました。
1972年に、彼を来たるべき任務に向けて準備するため、彼の師である覚者は非常に厳しい集中した訓練を彼に課しました。このようにして彼は、師との間に一瞬一瞬の意識的な双方向の思念伝達(メンタルテレパシー)の能力を開発し、ヒマラヤ山中におられる覚者の世界における窓口的役割を果たすようになりました。この関係が、マイトレーヤの降臨の進行状況について正確な情報を得ることを可能にし、非常に懐疑的な世界にこの情報を公に提供する確信を彼に与えました。
クレームは招かれるままにアメリカ、カナダ、ヨーロッパ全域、環太平洋諸国で講演をし、世界中のラジオやテレビ局からのインタビュー要請に応じてきました。日本にも1985年以来( 2010年まで)、毎年講演に来ていました。彼はこれらの活動に対しての個人的な謝礼は一切受け取らず、さらに彼自身の霊的な地位についても全く何の主張もしていません。クレームはまた国際的な月刊誌『シェア・インターナショナル』の編集長でもあり、この雑誌は世界70カ国以上で読まれています。彼は言います、「私の仕事は、一般大衆にこの情報を伝えるための最初のアプローチをして、希望と期待の風潮を創ることです。その風潮の中で、マイトレーヤが人類の自由意志を侵すことなしに、世界に出現できるのです」
彼の講演活動や著書や『シェア・インターナショナル』誌を通してこの情報を知り、反応した人々が世界中の国々で、マイトレーヤについて、そして来たるべき世界的規模の大変容についての情報を伝達する奉仕活動に携わっています。彼らはこの活動に、時間とエネルギーと資源を惜しみなく提供しています。クレームの著書および毎月のシェア・インターナショナル誌の翻訳・編集・出版に関する仕事もすべて無報酬の奉仕で行われています。