──覚者より
ベンジャミン・クレーム筆記

世界は待っている。かたずを飲みながら待つのではないが、様々な出来事が危機に向かって動いており、その結果は明確ではないという感覚が増大している。どのような成り行きになるのか、誰も知らない。専門家も政治家も経済学者も等しく、対立する流れの中で無力にもがいている。彼らは相反する方向を取ることを余儀なくされて、計画を立てることができない。日ごとに新しい問題が生じ、最も啓発された者たちの善意は試され、他方、舞台の背後では、投機という冷酷な貪欲が国家を屈従させる。

そのような状況が生じるときはいつでも、人は恐れる。そして恐怖の中で、彼らは怒りをこめてなぐりかかってくる。かくして今日、世界の多くの部分でそれが起こっている。生活水準は下がり、安全が脅かされるにつれて、避難民や外国人に対する偏狭さが増大し、民主主義のプロセスを変色させる。舞台脇で待機している政治的過激派が彼らの機会をつかみとり、無思考の若者たちを過去の模倣に導くために台頭する。

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